断熱改修工事において
住宅の熱損失には2種類あります。1つは壁や窓からの熱伝導によるもの、もう1つは漏気(隙間風)・喚気によるものです。1つ目は断熱材と高断熱サッシによりずいぶん改善されました。費用対効果から言えば十分でしょう。住宅の隙間も気密測定の普及によりメーカーが競って数値達成に躍起になったおかげで新築はずいぶん改善されてきました(1部例外はあるようですが)。しかしリフォームではどうでしょう。漏気対策は新築ほど施工業者が気をつけているようには見えないのです。確かに新築よりリフォームの方が漏気対策は難しいのですが、漏気対策を考えている業者の物件は、目に見える出来栄えには大差がなくても暖房費に差が出てきます。それは1年後に解ることですが、その差は漏気対策リフォームをするか建直すまで続くのです。勿論漏気していると室内の高低差で温度差が大きくなります。『足元が冷える』ということです。
この漏気対策は気密測定に立ち会わないとどうして良いか解らないのが実態です。何せ目に見えないのですから、どのようなところから隙間風が入りやすいのか。それを解決するには施工時にどうすればよいのか。最初は試行錯誤で何回か経験するうちに要領が解って高い数値を実現できるのです。これは3年以上の気密測定で10組以上の大工を指導してきた経験から言える事です。
喚気による熱損失は喚気装置の種類によるので効果は価格に反映されます。喚気からの熱回収をしようとすると、一般的な住宅でも100万前後の金額になるでしょう。ただ、現在主流になっている集中排気型(第3種喚気)ですが、実は各個室の喚気口を掃除してドアを少し開け、浴室かトイレの換気扇を回しっ放しにすれば効果はほとんど同じなのです。結露にお悩みの方は今すぐできる劇的な改善策です。お試しあれ。
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