気密はどこまで必要ですか?

 

 私が施工管理した物件(60坪以上)で隙間相当面積0.4(cu/u)を記録した事があります。つまり建物全体で合計10cm×8cm程度の隙間しかないのです。2.0以下が気密住宅の指針ですから性能値としてはかなり良いと思うのですが…。ネットでも『そんなに高い気密が必要か?』の書き込みを良く目にします。『窒息してしまうのでは?』との心配も。窒息はしないにしても、もし室内でポータブルの石油ストーブを焚いたら…と思うとゾッとします。2000年問題が騒がれた時石油ストーブが売れましたが、少し心配しました。すでに2.0以下の住宅は結構あったからです。費用対効果の面から言うと1.0から1.5くらいがいいところかなと思います。通常の在来工法では難しいのですが、ツーバイフォー工法でチョット気を使えばこの数値は実現可能です。もともとツーバイフォー工法は普通に建てても2.0前後の数値は達成する工法なのです。

気密がもたらす効果は勿論熱損失が少ない、つまり冷暖房の効率が良いので1台の冷暖房機で家全体をまかなうことも可能だったりしますし、空気清浄機の効果も上ります。また、一番強調されるのが『計画換気が出来る』という点です。気密を良くしても、今までのような大量の喚気をしていたのでは意味がありません。前述の冷暖房や空気清浄の効果を高めるためにも、必要最小限の喚気を計画すべきなのです。室内の上下の温度差が少ない、つまり足元が冷える等と言う事も無くなり、高齢者や女性に優しい家になるのです。